風神雷神図屏風の作者(絵師)や時代背景を解説!ご利益や逸話・縁起についても



風神雷神図屏風の作者(絵師)や時代背景を解説!ご利益や逸話・縁起についても

東京オリンピック・パラリンピック記念硬貨の図柄に風神雷神図屏風の絵柄が採用されることに決まりましたね。

風神雷神は言葉としては知っていますが、その縁起・ご利益や風神雷神図屏風についてなどは詳しくは知らないという方も多いのではないかと思います。

今回は風神雷神についてや、風神雷神図屏風の歴史をまとめてみました。

 

風神雷神図屏風について解説!

作者は俵屋宗達

風神雷神図屏風は俵屋宗達の作品です。

宗達は生没不詳と言われていますが、角倉素庵や烏丸光広などの歴史上の人物と親交があったことから、1570年頃の生まれと推測されています

また、宗達は当時から画家として有名だったようで、後水尾天皇から制作を頼まれるなど皇室からの依頼もあるほどでした。

そして風神雷神図屏風は、現代において宗達の最高傑作と呼ばれるほどの作品です。

時代背景は江戸時代(17世紀)

風神雷神図屏風が描かれた時代背景は江戸時代の寛永(1624-1645)と言われています。

現代では有名な絵となっている風神雷神図屏風ですが、江戸時代にはあまり知られておらず、作品についての記録や文献などは残されていません。

しかし当時すでに著名な画家とされていた宗達についての記録は多く残されているため、描かれた時代はある程度推測できるというわけで、それが寛永だろうということですね。

その中でも寛永末期1645年頃に描かれたとする説が有力であると言われています。

風神雷神とは?

そもそも風神雷神図屏風に描かれている風神雷神について、どんな由来・縁起があるのでしょうか?

名前は知っていてもその起源についてはあまり知られていないと思いますので、順にご紹介していきます。

風神の縁起・逸話

風神は風を吹き出す風袋を持っていて、これを使って風雨を引き起こすとされる「風を司る神」です。

古事記や日本書紀において、イザナギとイザナミの間に生まれたシナツヒコが「風神」であるとされ、農業の守護神ともされています。

台風などの大きな自然災害が起きないように、風神を祀る祭りも古くから数多く存在しています。

また、神として記される以外にも、平安時代の袋草紙などでは、災害や病気をもたらす悪神として描かれたりもしています。

やはり昔は風雨の災害は農作物の出来に直結する重大な災害であったでしょうから、風の神様が悪神にうつることもあったのでしょうね。

風神の見た目は鬼の見た目で描かれることも多いです。

雷神の縁起・逸話

次に対となる雷神についてです。

雷神は風神の風袋に代わって、稲妻や雷鳴を呼ぶ太鼓を持っている「雷を司る神」です

雷神も風神と同様に古事記にて登場しています。

黄泉の国でイザナミの体の各所に八柱の雷神が生じ、イザナギがこれを目撃して恐れおののき逃げ出したする伝説があります。

イザナミの体に生じたとされる雷神は以下の名前とされています。

  • 大雷神(おおいかづちのかみ)
  • 火雷神(ほのいかづちのかみ)
  • 黒雷神(くろいかづちのかみ)
  • 咲雷神/裂雷神(さくいかづちのかみ)
  • 若雷神(わきいかづちのかみ)
  • 土雷神(つちいかづちのかみ)
  • 鳴雷神(なるいかづちのかみ)
  • 伏雷神(ふしいかづちのかみ)

雷神は、風神のように1つの神として登場していないのが少々意外です。

このように起源において風神雷神は対では登場していませんが、江戸時代をはじめ昔の人々は雨と雷は結びつけて考えられていたため、風神と雷神は対で描かれることが常識であったようです。

風神雷神のご利益

風神雷神は古事記や日本書紀以外にも、仏教では風雨を整える神とされていて、多くの神社・仏閣でご利益があるとして祀られています。

  • 農業、工業・・・風雨を整えるというところから農業、工業のご利益があります
  • 健康(対疫病)・・・風を司ることから風邪(邪な風)から守ってくれるなど、健康のご利益があります。
  • 神戦神武・・・風神雷神は戦っているような描かれ方が多いように、神の武を仮り、勝負事に勝つご利益があります。
  • 自然・・・風雨を司り、自然災害から身を守ってくれるご利益があります
  • 学問、事業・・・創造神から出生した縁起から、新たなことを始める際にご利益があります

 

 

まとめ

今回は風神雷神についてと、風神雷神図屏風をご紹介しました。

風神雷神は善神と悪神の2つのイメージがありますが、悪神としてのイメージは自然災害を恐れる人々が作り出したイメージという向きが強く、本来の風神雷神は神社にも祀られるようにご利益のある存在です。

風神雷神に縁のある場所を訪れることがあれば、ぜひ覚えておいてください。



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