“1泊2日60万円で全身の血管を診断 国循式“攻めの予防”「高度循環器ドック」とは”
こんなニュースを見た。
「健康診断で数値に異常が出るようになったら、その時は結構症状が進んでいる時だよ。」と聞いたことがある。
健診の数値が正常ならば、自分は健康だと思ってきた人は大勢いると思う。
ジョーもこれにはびっくりしたのだ…
しっかりと測定してくれる健康診断として、血管の中までしっかり検査できる「高度循環器ドック」が提供されているようだ。
今回は、この高度循環器ドッグについて、少し調べてみた。
高度循環器ドックとは?
2013年から始まった高度循環器ドックは、国立循環器病研究センター(以下、国循)で行われる。
そのドックでは、全身の血管を診断し、16点もの精密検査で循環器病にかかわる血管の異常を調べることが出来るようだ。
毎年会社で行われる健康診断で大きな異常がなかった人でも、急に病気になることもある。
健診での血糖値や中性脂肪やコレステロールが正常範囲でも、国立循環器病研究センターで「高度循環器ドック」を受けると病気になるリスクを発見できるのだ。
なので、定年を機に受ける人も少なくないようだ。
一見健康に見える人でも、見逃されてきたリスクを発見する検査なので、自治体や会社でおこなう健診、そして特定健康診査(メタボ健診)などとは異なる検査である。
検査自体は高額ではありますが、血管の異常で起こる将来の循環器病になる危険性を発見できる。
循環器病のリスクがわかることは、脳卒中や心筋梗塞などを未然に防ぐことが出来ると、国立循環器病研究センター病院(大阪府)予防健診部長の宮本恵宏医師がニュース記事内で述べてくれていた。
高度循環器ドックの目的
循環器病の予防
高度循環器ドックを行うようになったのには、検査値異常の段階で未然に防ぐことが可能であるためだ。
もし重大な脳卒中や心筋梗塞などの循環器病が発生した時は、急いで治療をしなければならないが、多くの循環器の病気は、結局は動脈硬化とのこと。
動脈硬化が早期に発見されると、生活習慣の見直しをすることで、動脈硬化の原因となる疾患を治療することが出来る。
それによって、高血圧や糖尿病、そして脂質異常症も同時に改善することが見込める。
肥満者のリスク予防
肥満になると、メタボ検診でも生活習慣病のリスクが高くなることを言われますが、循環器病のリスクも高くなる。
40~74歳を対象とするメタボ健診では、男性が腹囲85センチ、女性が腹囲90センチ以上の人の内臓脂肪に着目するものだ。
しかし食事や運動習慣を見直すことで、循環器病のリスクを低くしようとすることは大切だ。
動脈硬化以外の病気の発見
循環器以外の病気は、動脈硬化以外にも多くある。
「不整脈」、「大動脈解離」など、突然の死になりうる病気も多く存在する。
突然死を引き起こす循環器の病気は他にもあるので、油断は禁物だ。
遺伝子検査でも早期発見が
遺伝子検査をすると服薬治療などで、不整脈や大動脈解離の一部のタイプは、“攻めの予防”ができる。
QT延長症候群の遺伝子検査は保険診療が可能なので、年間200~300件の依頼がくるそうだ。
宮本医師曰く、家族歴のある人は遺伝子検査を受けるのがオススメ。
心電図で異常を認めた不整脈の原因となるQT延長症候群は、国循などの遺伝子検査をおこなう病院に血液を送れば診断が可能である。
国循が遠距離でも、心配はないようだ。
高度循環器ドックで異常があった場合
本来健康診断は、病気になるリスクを見つけるものですが、ドックは、重大な病気の元を見つけることが可能なものだ。
脳ドックによって、破裂前の脳動脈瘤などを発見出来る。
しかし、それ以外のドックの循環器系ドックは、検査も診断も難しいので、出来るところが少ないようだ。
その点、国循には、多くの専門医がいるので、異常があればすぐに治療に進むことが出来る。
検診では指導対象外のケース
会社の健康診断では、メタボの指導の対象外だった人が(ちょっと血圧の降圧剤を飲む以外は異常がない)、高度循環器ドックの「心臓MRI検査」で冠動脈プラークの存在を意味する高信号が発見された。
高度循環器ドックの「心臓MRI検査」によって、プラークを持つ人は将来的に心筋梗塞がおきる確率が高いことがわかった。
通常の健診で異常がない人が、高度循環器ドックを受けて、未然に発病を防げたケースは少なくない。
BMI20で今まで循環器の病気がなかった人のケース
今まで循環器系の病気になったことがない人でも、高齢になってくると病気になって周囲に迷惑をかけたくないと考えがちではないだろうか?
80歳になっても、自分の体を積極的に知ることで、手遅れにならずに済んだケースを紹介する。
ある人が、BMI20で痩身でも、冠動脈のCT検査で白い石灰化が見つかったそうだ。
白い石灰化は、動脈硬化の進行を意味する。
また、他には運動負荷時に心臓の一部に血流低下を発見するなど、今後の心筋梗塞や心不全の予測ができる検査も存在する。
糖尿病を精査後にも数値が異常を認めたので、治療を早期に開始して、指導を早めに受けることが出来たようだ。
高度循環器ドックで病気が発見後
高度循環器ドックでの検査費は、保険がきかないので、全額自費負担になる。
この病気を見つける為の、高度循環器ドックの料金は高額で、60万円ほどかかってしまう。
1泊2日の入院では、CT(コンピューター断層撮影)やMRI(磁気共鳴断層撮影)など行いますが、まだまだ高額。
しかし、それで異常を発見した場合の治療費には、保険が適用になる。
まだまだ一般的に浸透するには時間がかかりそうだが、手遅れになる前の早期発見が、より手軽にできるようになる一歩かもしれない。