協会けんぽに勤務していた時に、メタボリックシンドロームや今後、生活習慣病になりうる可能性が高い人達に、特定保健指導を受けることをお勧めする電話をしていました。

企業や個人には費用がかからないし、企業まで保健師や管理栄養士が出向くので、皆喜んで受けてくれるものと最初は思っていました。
しかし、その時の企業の反応は、様々でした。

自分の勤務している会社がどのような対応をしているかわからないと思いますが、参考までに読んでみて下さい。

毎年特定保健指導を受けてくれる企業

特定保健指導の時間を勤務時間内に調整してくれる場合は有り難い

毎年、当たり前のように特定保険指導を受けている企業の保険担当者は、先に届いている書類に既に目を通してくれていて、対象者のスケジュール調整をしてくれ、話がスムーズに進むので助かりました。
しかし、すべてがそのような企業ばかりではありません。

企業によっては営業時間が、9時~17時や18時まで勤務と言った会社ばかりではありません。
社員の健康管理も仕事の内と、勤務時間内にスケジュールを組んでくれる企業は有り難いですが、休み時間や、業務開始前、終了後に来社してほしいと言われる時もあります。

それでも特定保健指導を受ける意志がある企業は、社員の健康管理に前向きに取り組んでいるんだと思い、なるべく希望の時間に、保健師や管理栄養士は訪問していました。

毎年特定保健指導を受けいれる保険担当者は指導者の選択を伝えてくる場合もある

特定保健指導を受ける事になれている企業の中には、去年は○○さんは管理栄養士さんに指導を受けていたので、今年は保健師さんにして下さい、と言ってくる担当者もいました。
対応できるかどうかは、その時の状況判断ですが・・・

電話をかける時は、一度の電話で訪問日のスケジュールや、その企業の対象者が何人ぐらい保険指導を受けてくれるかを知ることは難しく、スムーズに話しが進む企業でも数回は電話をします。
でも特定保健指導を受ける前提で、話が進む企業担当者は、協会けんぽに勤務するものとしては有り難い限りでした。

以前特定保健指導を受けたことがあるので、今回は見送ろうとする企業担当者

特定保健指導は1度受けたことがあるのでそれで企業側の役割は済んだと思わないで下さい

企業担当者の中には、去年も受けたけど効果がなかった、という言葉で保健指導を断ろうとする企業もいました。
その場合は、「なぜうまくいかなかったのか検証させていただきたいし、改善するために行っていることは無駄ではなく、その積み重ねで良くなっている人もいるので」と引き続き受けることを勧めていました。

出来れば企業の保険担当者は、対象者が改善していくまで、温かく見守っていただきたいと思います。

特定保健指導を次の検診後まで見送ろうとする企業の保険担当者

また中には今が忙しい時期なのか、ストレートな断り方ではなく、先延ばしにしたい企業担当者もいました。

もうすぐ新たに健康診断があるのでそのあとの方が良いのでは?と言われることも何回かありました。
基本的には、企業やそこに勤務する対象者の事情も加味して判断します。

しかし、次の健康診断から協会けんぽにその企業の資料が届くまでは数か月先なので、次回に保健指導が行われるのは早くても半年後位になります。
そのような時も、次の保健指導の時期まで対象者の体調が心配なのでとお伝えし、早く保健指導を受けることをオススメしていました。

メタボリックシンドロームから波及する病は、サイレント病で突然症状が起こることが多いものです。

特定保健指導を受けることは、社員の健康管理を企業側にも協力していただく事で、今後の企業の利益につながっていくと理解してもらえる様に話していました。
そんな訳で、中々電話を切れないことは度々でした。

企業保険担当者が管理しきれず直接対象者と話すことも

企業の保健担当者が、対象者のスケジュールを管理しきれない場合がありました。

それは、社員が別の場所で仕事をしている場合です。
朝と勤務終了時のみ会社に顔を出す営業職の人の場合と、自宅との直行直帰の業務委託されている人の場合です。

その時も、出来るだけ電話で対象者本人と話しをする機会を逃さないように何度も電話しました。
中には、「もう自分の体はボロボロで悪いのはわかっているけど、忙しくて時間も作れないからと諦めている」と言う人もいました。

そんな時は、また企業担当者に電話して、なんとかその人に時間をとって特定保健指導を受けてもらえないか何度も相談していました。

また、教職員の特定保健指導の話は、最初は教育委員会の担当者と話しますが、日程調整になる場合は対象者が勤務する学校に直接電話して対象者とスケジュール調整していました。
学校関係はどうしても1つの学校に受けられる対象者が1人とかなので、近隣の学校にも対象者がいないか探して訪問日程調整をしていました。

また、大学の場合は対象者が数人いても、同じ日に全て特定保健指導が終わるわけではありません。
担当者に電話した際は、できるだけ同じ日にお願いはしていましたが、校舎が広すぎて、辿り着くのに時間が掛かっていたりしたようです。

駅まで送り迎えしてくれる企業担当者や施設担当者

保健師や管理栄養士が訪ねる所は中央ばかりではなく、人里離れた施設や交通の便の悪い企業にも行っていました。
そんな時、こちらでも交通機関を調べて、前後に訪問する企業との時間配分を決めます。

先方の企業や施設担当者に行き方を尋ねる場合もありますが、駅まで送迎して下さる担当者もいました。
勿論、先にどういう立場の人で何という人か個人名まで教えて下さっていますから、お言葉に甘えていました。

企業に電話した際に、相手が電話対応でちょっとおかしいな、不健全だなと思った時もあります。
そんな時は、すぐ直属の上司に相談して、保健師や管理栄養士に害が及ばないように阻止するように言われていましたので、その辺りは皆で配慮していました。