最近の健康診断は、40歳以上の人(妊婦さんを除く)はメタボ健診で腹囲を測定されたりしているんですよね。

健診結果が良くなくても、再検査と言われてなければ、ほとんどの人は放置状態でしょう。

特に仕事をしている人は、余程の事がない限り、個人の体調では中々仕事が休み辛いようです。
勤勉な日本人の悪い部分を改善する為に、国が企業も巻き込んで行った制度、それが特定健康診査と特定保健指導です。

メタボについての特定健診とその後の特定保健指導が、どのように行われているのかをまとめてみましたので、参考にしてください。

特定健康診査はこんな風に行われます

特定健康診査では、常時薬の服用や喫煙履歴が尋ねられます。
そして、身長や体重測定からBMIの数値が出されます。

その後、腹囲が測られ、血圧測定や身体診察、尿検査を行います。
血液検査では、脂質検査や血糖検査、肝機能検査ができるようです。

さらに詳細な検査がある場合は、心電図や眼底検査、貧血検査もあるようです。

次に診断結果が届きます

検査後、企業や個人宅に診断結果が届きます。

メタボリックシンドロームと診断されるのは、腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上+下記のA、B、Cのうちのどれか2つが当てはまる場合です。

また腹囲が男性85cm以下、女性90cm以下でも、BMIが25以上であれば、A、B、Cの数で保健指導の対象者となります。{BMI肥満度の目安 BMI=体重Kg÷(身長m×身長m)}

基準値は、
A・・空腹時血糖の数値が100mg/dl以上またはHbA1cが5.6%以上(NGSP値)
B・・最高血圧130mmHg以上または最低血圧85mmHg以上
C・・中性脂肪150mg/dl以上またはHDLコレステロール40mg/dl未満というものです。

現代では、メタボリックシンドロームとその予備軍は、男性で2人に1人、女性で5人に1人だと言われています。

メタボリックシンドロームと診断されると、特定保健指導が始まります

その後、健診した医療機関や協会けんぽなどの保健組合などから、特定保健指導のオススメの連絡が入ります。
特定保健指導とは、健診の結果から、メタボリックシンドロームとその予備軍の人に、症状や数値が悪化しないように改善指導を行うものです。
(特定保健指導の詳細は、後半に書かれていますのでそちらをご覧ください。)

企業の場合には、健診した医療機関や協会けんぽなどの保険組合などから、会社の健康保険担当者に、前もって指導をオススメする人のリストが送付されます。
その後、電話で具体的なスケジュール調整が行われますが、協力的な企業とそうでない企業があるようです。

特定保健指導は、医療機関で行われる場合と、企業に保健師や管理栄養士が出向いて行う場合などがあります。

個人で保健指導を受ける意思があっても企業が協力してくれない場合は、休みをとって保健指導を受けに行く前向きな人も中にはいるようです。

特定健康診査・特定保健指導の現状

平成20年4月より40歳~74歳までを対象者に、特定健康診査や特定保健指導が行われるようになりました。

厚生労働省は全国の特定健診目標70%と特定保健指導目標45%としているようです。

平成26年度の厚生労働省のデータからは、特定健診対象者に対し受診者数48.6%でした。
またその中で、同年度の特定保健指導対象者の割合は16.8%でした。
その中から特定保健指導を最後まで受けた終了者の割合17.8%でした。

国の目標からはほど遠い数値になっていますが、健診や保健指導を受ける人の数値は毎年上がっているんです。
メタボリックシンドロームの改善の大きなポイントは、1に運動、2に食事、3にしっかり禁煙があげられているようです。

特定保健指導は、「高齢者の医療の確保に関する法律」の中で明文化されています。
現在は、受けなくても罰則はありませんが、きめ細かな保健指導を無料で受けれる絶好の機会です。

ところが、実際の特定保健指導に対する企業側の対応は、まだまだ遅れているのが現状です。
次の記事は、実際に、協会けんぽから企業に、従業員に特定保健指導を受けるよう掛け合っている現場を、経験者に書いていただいたものです。
よかったら参考にしてみてください。