皆さんのお家の台所にはどんな油があるでしょうか。
サラダ油、ごま油、バターにマヨネーズなど、油は日々の食事には欠かせないものですよね。
ですがこれらの油は摂りすぎてしまうとご存知の通り肥満の原因となってしまいます。

今回は中性脂肪、コレステロールが気になる方が特に注意したい油(脂肪)やコレステロールの多い食品について勉強していきましょう。


スクリーンショット 2016-07-07 21.23.24《著者紹介》
柴内さおり
管理栄養士。社員食堂、栄養相談、商品開発などの仕事を経験する中で、食べたものが自分のからだをつくっているということを再認識。現在はアプリでのダイエットアドバイスやコラム作成を中心に活動、食の大切さを日々発信している。食べることが大好きな一児の母。


からだに良い油がある?

色々な種類の油の中からどんなものを選ぶかによって、からだへの影響が変わってくるのをご存知でしょうか。
実は油にはからだに良いもの、悪いものがあります。

体に悪い油

からだに悪い油(脂肪)はズバリ、常温で固形のものです。
牛脂、豚脂、バター、マヨネーズなどの動物性脂肪には飽和脂肪酸という脂肪酸や悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が多く含まれ、摂りすぎると肥満の他にも血中のコレステロール量を増やし、動脈硬化などの生活習慣病の原因になってしまいます。

マーガリンは植物由来だから良いのではとも思われがちですが、実は植物油を固めるために食用精製加工油脂というのもが配合されています。
その中に悪玉コレステロールの増加や善玉コレステロール(HDLコレステロール)の減少などが指摘されている「トランス脂肪酸」が含まれています。

トランス脂肪酸摂取量の多い欧米諸国ではトランス脂肪酸についてその含有率の制限や表示の義務化が進められているほどです。
ショートニングやファットスプレッドなども同様でファーストフードの揚げ物や加工食品、多くの菓子類に含まれているので注意が必要です。

体に良い油

からだに良い油は、オリーブオイルやキャノーラ油(菜種油)、ごま油、グレープシードオイルなどです。
これらの油にはオレイン酸やα-リノレン酸、リノール酸などが多く含まれていて、コレステロール低下作用があります。

最近話題のココナッツオイルも中鎖脂肪酸という消化・吸収のスピードが早くエネルギーとして消費されやすい成分が含まれているので体脂肪になりにくいといった特徴があります。

オリーブオイルは熱に弱く酸化されやすいので、そのままサラダやカルパッチョに使ったり、さっと炒める料理に向いています。
キャノーラ油は高温に強いので揚げ油に使うといいですよ。
最近ではトクホマークの付いた油も出てきていますよね。

また魚油も血栓を溶かす作用やコレステロール低下作用があります。
魚にも種類がたくさんありますが、魚油の多さでは白身<赤身<青魚と覚えておきましょう。

コレステロールが多い食品はほどほどに

コレステロールが多い食品は鶏卵、イクラやタラコなどの魚卵、ウナギなどです。
食べてはいけないのではなく、食べすぎないことがポイントです。

コレステロールが多い食品を食べるとすぐに血中コレステロール値が上がる人と、あまり反応しない人とがいます。
反応しやすい人はとくに注意しましょう。

動物性脂肪をカットする工夫

コレステロールの多い食品を食べすぎないことも大切ですが、コレステロールはからだの中でつくられるものがほとんどなので、コレステロール値を上げる動物性脂肪を摂りすぎない工夫をしましょう!

例えば、脂身の多いお肉は避けてヒレ肉やモモ肉を選んだり、脂身をカットするのも大切です。

また、豚ロース肉(110g)の外側の脂身(20g)をカットするだけでカロリーの51%がカットできます。
脂の多いバラ肉などはさっと湯通ししてから使ったり、油は使わずに出てきた脂をふき取って余分な脂を取り除くのも良い方法です。

バターは仕上げに使うことで少量でも風味が感じられやすく、満足感が得られやすくなりますよ。


いかがでしたか?
油脂類は悪者と思われがちですが、からだにとっては大切な栄養素のひとつです。
選び方や摂りすぎに注意して、中性脂肪やコレステロール値に悪影響を与えない食生活を送りたいですね。

参考文献:改訂版 栄養の教科書 中嶋洋子監修
調理のためのベーシックデータ(女子栄養大学出版部)