コレステロール値が高い人の二次的な症状として、動脈硬化が挙げられます。
血液中の脂質が酸化してしまうと、動脈硬化を起こしやすい状況となってしまうのです。
予防として強い抗酸化物質を含む野菜を積極的に摂取するようにしましょう。
ここでは、抗酸化物質の特質に合わせた上手なとりいれ方についてご紹介します。
《著者紹介》
Tsukiko
食品メーカーで食卓分析や広告宣伝などのマーケティングやフードスタイリングの経験を積んだのち、管理栄養士として独立。「食を楽しむ」をキーワードに、栄養指導やダイエットカウンセリングのほか、栄養・健康関連のコラム執筆やレシピ考案・フードスタイリング、フードコンサルティングなどの活動をしている。
ビタミンA・ビタミンE
強い抗酸化作用を持つ、ビタミンA・ビタミンEは、にんじんやかぼちゃなど、色の濃い緑黄色野菜に豊富に含まれています。
ビタミンA・ビタミンEは脂溶性のビタミンですので、油を使って調理すると吸収率が高まります。
中でも、LDLコレステロールを下げる働きがあるといわれるオリーブオイルや、血液サラサラ効果が期待できるアマニ油やシソ油を利用するのが効果的です。
ビタミンC
ビタミンCは摂取後3時間で尿中に排泄されることで知られています。そのため、一度に摂取するよりも毎食摂取するほうが効率的です。
また、水溶性で熱や光に弱く、調理時の洗浄や加熱により損失してしまう性質を持っています。
そのため、生食や短時間調理、ビタミンCが溶けだした煮汁も食せるスープなどが効率よい摂り方です。
ビタミンCは、カラーピーマンやケール、モロヘイヤ、ブロッコリーやカリフラワーに多く含まれていますが、じゃがいものビタミンCは比較的加熱による損失が少ないため、組み合わせて摂るのもいいですね。
ポリフェノール類
ポリフェノールは、野菜や果物や種実類の皮や種に多く含まれ、色や苦みやあくなどを構成する成分です。
野菜では、トマトやブロッコリーといった緑黄色野菜や、さつまいもやれんこん、ごぼうなどの根菜類に含まれるポリフェノール類が血中のコレステロール値や中性脂肪を調整する効果があるといわれています。
緑茶やウーロン茶、コーヒーや赤ワインにも有効なポリフェノールが含まれていることも広く知られています。
おすすめレシピ:パプリカとブロッコリーのカラフルトマトスープ
抗酸化物質はカラフルな野菜に多く含まれています。
特にトマトスープは煮汁に溶けだした抗酸化物質もまるごと摂取できるおすすめメニューです。あくはとりすぎないのがコツです。
材料 (2人分)
- パプリカ・・・1/2個
- ブロッコリー・・・1/2株
- にんじん・・・1/4本
- じゃがいも・・・1/4個
- 玉ねぎ・・・半分
- オリーブオイル・・・大さじ1
- カットトマトの缶詰・・・200g
- 水・・・400~500㏄
- 固形コンソメ・・・1個
- 塩・こしょう・・・少々
- ケチャップ・・・適量
手順
- にんじん・玉ねぎ・じゃがいもは皮をむき、1cm角の色紙切りにします。パプリカも同じ大きさにカットします。
- ブロッコリーは小房に分けて下ゆでしておきます。
- 厚手の鍋にオリーブオイルを温め、1をさっと炒めます。
- トマト缶・水・固形コンソメも加え、ひと煮立ちすれば塩・こしょう・ケチャップで味を調え、ブロッコリーを加えて盛りつけます。
(参考:厚生労働省「e-ヘルスネット」、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書、日本動脈硬化学会HP)