日本動脈硬化学会の「脂質異常症治療ガイド」によると、脂質異常症のための生活習慣の改善項目に「減塩:食塩摂取の制限(6g/日以下)」があります。
脂質異常症の人は高血圧になると動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳卒中(脳梗塞)などを発症するリスクも高くなります。
塩分コントロールをしっかりとし、高血圧の進行を予防することが重要です。
《著者紹介》
Tsukiko
食品メーカーで食卓分析や広告宣伝などのマーケティングやフードスタイリングの経験を積んだのち、管理栄養士として独立。「食を楽しむ」をキーワードに、栄養指導やダイエットカウンセリングのほか、栄養・健康関連のコラム執筆やレシピ考案・フードスタイリング、フードコンサルティングなどの活動をしている。
減塩テクニック
減塩は意識してもしすぎることはありません。取り入れられるテクニックは取り入れ、薄味に慣れ、減塩につなげましょう。
豊かな風味をもつ食材を取り入れる
バジルやパセリ、ローズマリーなどのハーブや、こしょうや唐辛子、しょうがなどの香辛料・香味野菜のほか、レモンやゆずなどの柑橘類を活用しましょう。
アーモンドやごま、くるみなどの種実類は、香ばしさで減塩効果が期待できます。
和食では、かつお節や昆布などのだしをきかせたり、干ししいたけや干し貝柱、きのこ類などのうま味成分を取り入れることもおすすめです。(顆粒のだしは塩分を含みますので、使場合には注意が必要です)
味噌汁・ラーメン・うどんなどの汁の塩分に気をつける
汁物は1日1回までにしておき、麺類の汁は、少なくても半分は残すように心掛けましょう。
味噌汁は具だくさんにして減塩味噌を使うと効果的です。煮詰めないように注意しましょう。
ナトリウムの排泄を意識する
摂りすぎてしまった塩分を排出させるには、野菜や果物の多く含まれるカリウムを意識しましょう。
野菜や果物をたっぷり摂ることで、カリウム摂取もアップし、ナトリウムの排泄が高まります。
サラダなどの生野菜がおすすめですが、加熱するときには、カリウムは水に溶けるため、蒸し野菜などがおすすめです。
おすすめレシピ:ほうれん草とツナとナッツの和え物
ナッツとツナの風味で塩分を減らすことができる小鉢メニューです。
ナッツを炒ることで香ばしさがましますが、時短の際には省略してもokです。
材料:2人分
- ほうれん草・・・150 g
- ツナ(水煮缶)・・・50g
- しょうゆ・・・小さじ1
- 砂糖・・・小さじ1
- ねりからし・・・少々
- ミックスナッツ(食塩無添加のもの)・・・大さじ1~2
手順
- ほうれん草を洗い、沸騰した湯でゆでます。冷水に取り、水気を切ります。3cm程の食べやすい長さに切っておきます。
- ミックスナッツは、フライパンで軽く炒ってからミキサーや包丁などで好みの大きさに砕いておきます。
- しょうゆ、砂糖、からし、水をボウルに入れよく混ぜ合わせます。
- 1のほうれん草とツナをほぐしながら3のボウルに入れてよく混ぜ合わせます。
- 4を器に盛り付け、砕いたナッツを振りかけます。
(参考:厚生労働省「e-ヘルスネット」、日本動脈硬化学会HP、日本動脈硬化学会「脂質異常症治療のエッセンス」)