高脂血症(脂質異常症)の予防・軽減のためには、炭水化物、たんぱく質、脂質の摂取配分をバランスのとれたものにし、一日のエネルギー摂取量を適正にすることが第一歩。
脂肪分の少ない食材を選ぶと同時に、中性脂肪やコレステロールを下げる食品の選定も大切です。
ここでは、調理法を工夫して脂質を控える方法とともに、おすすめのレシピをご紹介します。
《著者紹介》
Tsukiko
食品メーカーで食卓分析や広告宣伝などのマーケティングやフードスタイリングの経験を積んだのち、管理栄養士として独立。「食を楽しむ」をキーワードに、栄養指導やダイエットカウンセリングのほか、栄養・健康関連のコラム執筆やレシピ考案・フードスタイリング、フードコンサルティングなどの活動をしている。
油・脂をおとすための調理法
1.調理器具編
- フッ素樹脂加工のフライパンなどを使って、調理に使う油の量を減らしましょう。
- 電子レンジを上手に活用しましょう。揚げもののあたためはクッキングペーパーにのせて電子レンジにかけると、余分な油分がカットできます。(度重なる電子レンジ加熱は、油を酸化させてしまうため、避けましょう)
- 魚だけでなく肉も魚焼きグリル(網焼き)を使って、余分な油を落すことができます。
2.下ごしらえ編
- 野菜は、材料の切り方をそろえ、電子レンジ加熱や下ゆでをして、少ない油でも火が通るようにしましょう。
- 揚げものの衣を薄くしたり、細かいパン粉を使うなどの工夫で、吸油量を減らすことができます。
- 鶏肉は皮の部分に脂肪が多いので、皮は取り除いておきましょう。
- 厚揚げや油揚げは熱湯をまわしかけて油抜きをすることで、油の臭みも取り除け、味も染み込みやすくなります。
3.調理編
- 揚げものや焼きものは、熱いうちにクッキングペーパーで両面についている余分な油をしっかりと吸い取りましょう。
- 揚げものは油から引き上げたあと、かさならないようにたてて油を切るようにしましょう。
- フライパンで肉などを焼いた時に出る余分な脂は、折りたたんだクッキングペーパーに吸収させてふきとるようにしましょう。
- 煮もの料理では、アクと一緒に油を丁寧に取り除くようにしましょう。
おすすめレシピ:鶏肉のマスタードソース
皮を除いた鶏肉を使って、脂質を1/3以下にした食べ応えのあるメイン料理です。
フッ素樹脂加工のフライパン調理で余分な油をカットし、ガーリックとマスタードをきかせた塩分控めのソースで仕上げます。
カラフルな色の濃い野菜をプラスすることで、抗酸化作用・コレステロール排泄などの効果が期待できます。
材料:2人分
- 鶏もも肉(皮を除く)・・・160g
- 塩・こしょう・・・少々
- オリーブオイル ・・・小さじ1
- 粒マスタード・・・小さじ1
- 白ワイン(料理酒でも可)・・・小さじ2
- しょうゆ・・・小さじ1
- にんにく・・・1/2かけ
- パプリカやプチトマト・・・適宜
手順
- 鶏肉は一口大に切り、塩・こしょうをふります。 パプリカは食べやすい大きさに切ります。プチトマトはヘタを取っておきます。
- フッ素樹脂加工のフライパンにオリーブオイルをしいて焼きます。鶏肉は焼き色がついたら裏に返し、余分な油をキッチンペーパーでとりながらしっかり火を通します。パプリカ、プチトマトは好みの状態になれば取り出しておきます。
- 粒マスタード・白ワイン・しょうゆ・すりおろしにんにくを混ぜ合わせて、2.にまわしかけ、鶏肉にからめてさっと火を通します。
- 鶏肉、パプリカ、プチトマトを皿に盛り付け、マスタードソースをまわしかけます。
(参考:厚生労働省「e-ヘルスネット」、日本動脈硬化学会HP)