メタボの基準でもある高血圧と、高血糖から生じうる糖尿病

これらの間には少なからず相互関係があり、「高血圧の人は糖尿病になりやすい人で、糖尿病にかかる人は高血圧になりやすい人」と言われています。

高血圧は放っておくと糖尿病をはじめとする様々な生活習慣病につながってしまいます。
未然に防ぐためにも、これらがなぜ連鎖してしまうのか、その繋がりは是非押さえておきたいですね。

今回は、高血圧と糖尿病についてまとめました。

>>目次
1.糖尿病は高血圧を引き起こす!?
1-1.インスリン抵抗性によって血管が広がりにくくなる
1-2.血液量の増加によって血管が圧迫される
1-3.糖尿病性腎症で腎臓の血液ろか機能が低下する
1-4.肥満・メタボで交感神経が刺激される
2.高血圧も糖尿病を引き起こす恐れが

1.糖尿病は高血圧を引き起こす!?

糖尿病が高血圧を引き起こしてしまう原因には、以下のようなものがあります。

1-1.インスリン抵抗性によって血管が広がりにくくなる

血糖値があがると、インスリンという物質の働きが弱くなります。
これを「インスリン抵抗性」と言います。

この状態が続くと、働きが弱い分過剰にインスリンを分泌してしまう「高インスリン血症」が引き起こされてしまいます。

この高インスリン血症では、交感神経の乱れや、腎臓で塩分をろかする機能が低下したり、血管を作る機能が低下したりする症状があります。
結果として、血管の伸縮性が悪くなってしまい、血圧があがってしまうのです。

1-2.血液量の増加によって血管が圧迫される

糖尿病、つまり血糖値が高い状態だと、血液が血管から出入りしやすくなっています。
つまり、血液の水分がより吸収されやすい状態になってしまいます。(これを浸透圧と言います)

この状態では細胞や腎臓での水分の吸収が通常より多くされます。
体内の水分が増えると、その分血液も増えてしまいますよね。

結果として、血管内をより多くの血液が流れることによって、高血圧を招いてしまいます。

1-3.糖尿病性腎症で腎臓の血液ろか機能が低下する

糖尿病の合併症の1つに「腎症」というものがあります。

文字通り腎臓の病気で、尿を作れなくなってしまう病気です。
これ単体でも十分危険な病気ですが、高血圧が気になる人はより注意が必要です。

というのも、糖尿病性腎症にかかっていると、レニンという「血圧を上げるホルモン」が分泌されてしまうからです。
また、腎臓の働きが悪くなることは、血液のろか機能が低下するということでもあるため、血液の総量も増えてしまいます。

1-4.肥満・メタボで交感神経が刺激される

糖尿病の人は肥満だったり、メタボであることも少なくありません。

糖尿病に限った話ではありませんが、糖尿病で肥満気味の人は血圧も高いことが多くあります。
これは肥満、メタボ時に分泌されるアドレナリンが、血圧を上げる効果をもっているために発生します。

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2.高血圧も糖尿病を引き起こす恐れが

一方、高血圧も高血糖、ひいては糖尿病を引き起こすとされています。

実は、高血圧というのは、それ単体では具体的な症状もなく、あまり実感のわかない生活習慣病です。
しかし、この「血圧が高い状態」が続いてしまうと、糖尿病を含めた様々な生活習慣病を引き起こしてしまうのです。

高血圧によってもたらされうる生活習慣病には、以下のようなものがあります。

  • 高血糖
  • 脂質異常症
  • 動脈硬化
  • 等…

高血圧や糖尿病の恐ろしい点は、「お互いに影響しあって、症状を進行させあってしまう」というところですね。
はじめは高血圧しか発症していなかったとしても、いつの間にか他の病気にもかかってしまうものです。

そのため、自分が抱えている生活習慣病の数が少ないうちに、できるだけ改善を進めておくことをお勧めします。

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